日本製鉄のUSスチール買収に関して、米鉄鋼大手のCEO が日本人を相手に暴言を吐きまくっていましたね
あの報道を受けてイヤな想いをした方も多いと思いますが、日本人にとってはとてもネガティブな出来事を、是非 学びに繋げていきましょう!
クリフス社のトップのゴンカルベスCEOの暴言 について
日本製鉄と同じくUSスチールの買収を目指していたクリフス社のトップのゴンカルベスCEOは、1月13日に、声をあらげて日本の批判をしていました(買収に際して、うまく事を運べていないクリフス社が、買収話を、途中まではうまく運べていた日本製鉄を批判したかった?)
正に暴言たる言動で、メディアでも多くのコメンテーターが「不快」と感情を露わにして怒っていましたね
ぼくも、ゴンカルベスCEOの会見をニュースで知って、少し不快に感じ、また怒りが込み上げました
彼の暴言を聞いてぼくが感じたこと
ただしもう一度ニュースを見直し、彼の発言内容をよく聞いてみると、不快な気持ちや込み上げてきた怒りはすっかり冷めました
その理由は、発言の内容が理路整然せずに、ただ声を荒げて抽象的に相手を攻撃しているだけの変な人としか思えなかったからです
発言は的を得ていない様に感じられ、再三「Japan」という主語を使って日本を蔑み、「United States of America」という言葉を使って米国を称賛していました
段々とぼくの怒りは、彼の発言の意図に対する興味に変わりました
ゴンカルベスCEOは何を伝えたかったのか
ゴンカルベスCEOの発言は悪い意味でインパクトがあり、多くのメディアが取り上げました
しかし、結局コメントの意図はよく分からないままで、誰に何を伝えたかったのか色々な考察がされています
ただ単に、感情をコントロールできていないだけの人 が怒りや不満をぶちまけただけなのか
又は、政治的なメッセージ性があるのか 結局真意はわかっていません
ビジネスマンが公の場で発言をする以上、目的があるはずですが、彼は目的を達成したんでしょうか(または今後目的を達成するための布石なんでしょうか)
ビジネスマンが忘れてはいけないことは、「目的の達成」こそが至上命題である事です
企業の目的は「利益の追求」ですが、今回のゴンカルベスCEOの発言内容は、クリフス社の目的の達成に寄与するんでしょうか
発言の真意が分からない以上は、その答えもいまは分かりません
ただし、私たちが忘れてはいけないことは、あらゆるツールは目的の達成のために使われるべき という事です
メールでも電話でも、雑談でも会議時でも、今回のようなスピーチやプレゼンでも です
報告や発言をするときに、自分の感情の話や苦労話ばかりをして、不必要に相手の時間を奪っていませんか?
仕事に必要なのは、あなたの想いや感情でしょうか
あなたの想いや感情が目的の達成に寄与するのであれば、大事にすべきですが、そうでないのであれば、一旦感情は置いておいて、目的達成へのフォーカスを忘れないようにしましょう
あなただったらあの暴言にどのように対応しますか?
「日本は悪だ」「この身の程知らずが」「日本は悪だ。寄生虫め。日本よ、気づけ!」
(日本語訳はTBS NEWS DIG Powered by JNNより抜粋)と彼はコメントしていましたね
日本政府(林官房長官)は「個別企業の経営者の発言についてコメントしない」とのことでした
さぁ、例えばあなたが 会議などの場で相手方に「お前の会社は悪だ この身の程知らずが 寄生虫め」って言われたらどうしますか?笑
ここまでの暴言はBtoBのシーンではあり得ないかもしれませんが、実際に感情が先行し過ぎてる人って実際にいますよね
なんか怒っているのはわかったんだけど、結局何が言いたいのか分からないとき‥ ぼくはビジネスシーンでは、「この人はなんで怒っているんだろう」「何を伝えようとしているんだろう」と考えがちです
そもそも怒りを露わにすることは本当に必要なんでしょうか
怒っているというポーズを見せることでプレッシャーをかけて、そのプレッシャーが役に立つのならまあ良いのかもしれません(脅しみたいなもんなので、程度によってはもちろんNGですが)
もっと言えば、怒りを堪えきれずに、発散せずにはいられないので、自己満足のために大きい声出しちゃって、その後仕事に集中できるのであれば、”本人にとっては”それも絶対にダメではないのかもしれません(結果的にそういう不適切な言動は自分の立場を危うくしますし、こちらも脅しやハラスメントと相手が感じるレベルはもちろんNGですが)
ただ、貴重な発言の機会を、自己満足のために感情表現の場に使ってしまうことは、多くの場合相手を不快にするだけなのでやはり避けるべきです
あくまで自分の目的の遂行にフォーカスして、慎重に言葉を選ぶことが大切であること を今回ゴンカルベスCEOは我々に教えてくれたんではないでしょうか
仮に目的を忘れて、怒りを爆発させている相手が、ビジネス上どうでも良い相手なら、無視で良いですね(いや、そもそも時間がもったいないので関わってはいけません)
*そう言った意味で、林官房長官の達観したコメントは正解だったんじゃないでしょうか
仮に発言相手が、ビジネス上大切な相手なのであれば、まずは発言の真意を探って、目的の遂行に支障が出ない様に問題を修正しましょう
仮にぼくにとって、ゴンカルベスCEOが大切なビジネスパートナーであったとしたら、「不快な思いをさせてしまっていたのであれば申し訳ありません」と、先ずは相手の怒りを鎮めた上で、「どのような対応をお望みでしょうか」と相手が求めている事を探り、折衝案を出す手掛かりとします
(そして心の中で相手をめちゃくちゃ見下します)
あなたがゴンカルベスCEOだったら何を発言しますか?
前提がふわっとしたままで「あなたがゴンカルベスCEOだったら何を発言しますか?」と言われても、
戸惑うと思いますが、ぼくは彼の発言には明確な欠点があると考えており、多くの日本人も同じ失敗をしていると考えています
彼は今回「日本製鉄」を敵視していた(?)はずですが、「JAPAN」という言葉を使って、日本そのものを敵視していると捉えられる発言を繰り返しました
これは正に不適切です
確かに日本製鉄は日本を代表する企業で、鉄鋼業は国を支えている側面もありますが「JAPAN」という主語は明らかに大きすぎます
これが彼の発言の真意が謎のままである理由の一つでもあるでしょう
仮にゴンカルベスCEOの発言の意図が、クリフス社のUSスチール買収を阻む日本製鉄の糾弾なのであれば、「JAPAN」という主語は不適切なので「日本製鉄」という言葉に置き換える方が良かったんじゃないでしょうか
暴言を受けて、コメント欄にも不適切コメントがたくさん‥
また、各種媒体のコメント欄ではゴンカルベスCEOの暴言に対して、「アメリカ企業は‥」「アメリカ人は‥」「ブラジル人(ゴンカルベスCEOはブラジル出身)は‥」という言葉を使い、多数の批判コメントが書き込んでありました
これも主語の使い方が不適切だと思います
クリフス社がアメリカの大手企業であるとはいえ、一企業のCEOの発言を受けて、アメリカという国家やアメリカ人・ブラジル人という特定の国の人を敵視することは飛躍しすぎです
今回のゴンカルベスCEOの暴言を批判したいのであれば、「JAPAN」を蔑んだ彼の言動を糾弾すべきであり、アメリカ・アメリカ人・ブラジル人に矛先を向けることはお門違いではないでしょうか
まとめ
いかがだったでしょうか
反面教師 とはよく言ったもんですが、ゴンカルベスCEOの暴言は多くのビジネスマンにとっての良いケーススタディになったのではないでしょうか
目的がよく分からない言動 や 曖昧で不適切な主語の使い方 は不適切
という当たり前を胸に刻んで、彼の暴言に対する怒りを鎮めましょう
そして言われの無いJAPANへの批判に感情を揺さぶられないよう、公明正大に胸を張って明日も働きましょう!
最後まで読んでくださってありがとうございました
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